津波の被害を受けた海岸林を市民の力で再生させていく「苗木 forいわき」プロジェクトを
NPO法人いわきの森に親しむ会の皆さんと一緒にスタートして、約1年9ヶ月が経過しました。
その間、本当に多くの方々のご協力をいただき、皆様と共に活動を進めてまいりました。
当初計画したことよりも大きくできたこと、逆にできなかったことがあります。
あの震災からから間もなく3年。今後も団体として引き続きできることを続けていく決意と共に、これまでの活動を総括してみたいとおもいます。
◆海岸林の状況
林野庁が震災直後に発表したいわき市における深刻な被害を受けた海岸林の面積は、1.4haでした。
しかし、塩害や、地盤沈下による影響で年々被害が拡大し、現在も続いています。昨年まで緑で元気そうに立っていた木が、いまは枯れてしまっています。この被害の拡大は、当初の想定を大きく超えるものとなりました。
◆再生に取り組む仕組み
市民による海岸林再生として、海岸林の再生に必要なプロセスを分割し、
個人、団体の皆様のできる範囲での協力を得ながら取り組んできました
・現地で海岸林の整備作業(枯れた木の片づけや草刈り)に参加
・苗木を育てていただく「クロマツパートナー」のみなさん
・寄付によりプロジェクトの財政支援「クロマツパートナー」のみなさん
これまでのところ、それぞれのプロセスにおいて当初計画したよりも多くの方々、団体にご協力をいただいております。本当にありがとうございます。
◆つながりから生まれたもの
活動をしていく中で、計画はしていなかったけれど形になったことも
いろいろありました。例えばクロマツパートナーの2団体が連携して、
缶バッチのチャリティーグッズを制作してくださったり、クロマツ見回り隊を
つくり、クロマツパートナーを訪問し苗木の様子を記録していただくしくみを
つくっていただいたり、共に取り組む仲間のアイディアがプロジェクトを強化して
くださっています。
◆企業、グループによる活動への参加
海岸林の整備作業には、重たい木を運んだり、植林した周辺の草刈りをしたり、ニセアカシア等の外来種の除伐作業をおこなったり、多くの人手が必要となります。会社、労働組合、学校単位でグループで現地へ駆けつけてくださる皆様の協力が多くありました。こつこつ作業を進めながら、30人~80人規模で作業をできる時には、やはり作業が大きく進みます。人の力は大きいです。
このようなグループによる協力も予想より多くいただくことができました。
◆課題
課題もあります。クロマツパートナーのみなさんとのコミュニケーションはもっと頻繁にとる予定でしたが、時間が足りず、訪問をすることができなかったところや、苗木の受け取りの送れてしまったところもありました。また、学校や幼稚園での学習会なども十分にできませんでした。
来年度より運営体制を充実させることで、改善したいと思います。
また、現地の整備作業ももっとスピードアップが必要です。植林本数目標を達成するためには、苗木を植える場所の整備を加速していく必要があります。
◆海岸林再生。国を挙げての取り組みに
林野庁、公益社団法人国土緑化推進機構でも海岸防災林再生等復興支援事業が本格化し、海岸林再生の機運が高まってきました。みんなの力で復興海岸林再生Naviというポータルサイトもできました。私たちもこの動きとも連動しながら今後の活動を行っていきたいとおもいます。
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